工作機械 厳しい2020年

朝礼

日本工作機械工業会(日工会)が23日発表した2019年の工作機械の年間受注実績(確報値)は、前年比32・3%減の1兆2299億円となり、3年ぶりに減少した。内需は同34・3%減の4931億8800万円、外需は同30・9%減の7367億1200万円だった。年間を通じ、米中貿易摩擦の影響が目立った。8月以降、健全性の目安となる月1000億円割れが続いた。 工作機械受注、回復は4―6月か。カギは「5G・半導体」投資  19年の工作機械市場は米中貿易摩擦の影響が中国にとどまらず、好調だった日本や米国、欧州にも広がった。中国は同42・7%減の1634億1800万円、米国は同24・8%減の2158億1900万円、ドイツは同35・4%減の394億8300万円と大幅減が並ぶ。日本は同34・3%減。設備投資意欲は高いが、先行きの不透明感から投資の手控えがあった。  産業別では規模の大きい自動車、一般機械向けの低迷が響いた。国内の自動車は同43・7%減の1397億6200万円、一般機械は同32・0%減の2022億300万円。

12月単月は前年同月比33・5%減の901億1400万円となり5カ月連続で1000億円を割った。同日開いた定例会見で中村健一副会長(中村留精密工業社長)は「国内は全くもって厳しいと実感している」としたが、外需は「米中貿易戦争が一時休戦した影響で米国が動き始めた」と回復の兆しを語った。  (日刊工業新聞より)

業種別受注額

2019下期から工作機械業界はあまりに酷い年だった。リーマンショクの時のように全てが落ちて路頭に迷う感じなわけではなく、工作機械だけがデフレの渦に先行して入っていくのが現状の感じである。自動車業界においては各社電動化の波を押し切って、ようやくスモールエンジンの量産化がはじまり、また動きだそうとしている。メーカーは1ℓ前後の排気量のエンジンの開発に追われている。嵐の前の静けさだと判断していいだろう。

機械メーカーは1ℓ、3気筒しかワークがこない時代になる。旋盤、マシニング、研削盤においても中途半端な大きさや、複合加工なんて要らない時代になり、マシニングは30番、回転主軸に関しては小径なものが売れる。メーカーはエンジン加工技術に予算を使わない考え方になっていくだろう。

前回にも述べたが、今年は各メーカー主力のコンパクトカーが沢山発売される。MAZDA2をはじめ、ヤリス(トヨタ)、フィット(ホンダ)、ノート(日産)と続々発売される年になり、スモールエンジンの素晴らしさを世に伝えてほしいとおもいます。MAZDA2以外の三台は各月一万台、二万台を争う戦いになることでしょう。メーカーの社運を賭けた販売競争が楽しみです。

     記事 石村忠美