あけましておめでとうございます 2020年の工業界予想

朝礼

新年あけましておめでとうございます。

2019年は米中貿易摩擦の激化を受けて、世界の工作機械の受注が急減速し下方修正に下方修正を繰り返し、年間1兆2500億円前後になりそうだと発表しまた。2019年1月時点では1兆6000億円と予想していたが、3500億円下振れする。前年比では31.2%減となり、リーマン・ショックで受注が急減した2009年以来の落ち込みとなりました。

では、2020年はどうなるでしょう。2019年の下期からの落ち込みは以前かわらず、日工会一ヶ月平均で850億程度の水準で推移していくと私は考えております。夏ぐらいから少し回復の兆しがあるとおもいますが900億から1000億程度でしょう。自動車関係の工作機械は夏ぐらいが底になり、年内特に目立った回復はしません、半導体関係は春ぐらいから新機種参入メーカーの需要が動きだすでしょう。航空機関係、ロケット関係も低調なままでしょう。通年でさらに20パーセント落ち込み日工会で1兆円程度と、厳しい年になると私は考えています。工作機械業界としては自動車関係で中型機械、スマートフォン関係で小型機械の受注が肝心ですので今日はその予想をしましょう。

自動車関係

国内は2020年もトヨタだけのひとり勝ちが続き1000万台規模を維持し、フォルクスワーゲンと常に比べられる会社になってくるでしょう。ただ販売台数という面ではVWグループに追いつくのは難しいとおもわれます。VWも売れ筋の新型の投入がありますので伸びが見込めます。個人的にはT-crossという小型SUVが世界的に売れると考えております。ホンダ新型フィットで販売台数を少し立て直し業績は横ばいを維持、特に新しい動きは無いとよんでいます。フィットで販売台数ナンバー1を目指していく会社であってほしいとおもいます。ホンダの人気車種を見ていて感じたのですが、フィット、フリード、ステップワゴンなど昔からある車名の車ばかりで名前に飽きがでてくるタイミングでもありますね。いつも新しく軽快なホンダであってほしいです。日産においては内部の問題、ゴーン逃亡問題、春からゴーン裁判で日産側もいろいろ言われ業績の回復が厳しいとおもわれます。当面はノート、セレナの販売で運営していくしかないでしょう。新型を投入して立て直すと社長が言っておられますが今は厳しいと判断しております。スバルは一時の落ち込みから回復しつつもインプレッサ、フォレスター、レヴォーグで引っ張る運営に限界を感じますので新車種の投入が必要になる。ただ世界的に質のいい物を提供していると評判の車種が沢山あるので、そのブランドイメージを維持していてほしいです。マツダにおいてはディーゼルから離れる会社作りをしていかなければならないだろうし、コドウ、シナリのコンセプトデザインも10年やってれば飽きられるタイミングである。Sky-X(直噴)エンジンも振動、カーボン対策が難しい仕組みなので、ディーゼルの時のような不具合は出さないようにしていかなければいけない。以上トップ5普通車メーカーの予想である。

トヨタ独り勝ちは変わらないだろう

トップ25位には、トヨタ車ばっかり。アルファードより下位は400万以上する高級車ばかりで、これぞトヨタの強みですね。当社としても全メーカーから御世話になっているので、とにかくグローバルにがんばりましょう。

スマートフォン関係

中国、韓国5G生産ラインも一段落し、これからは超量産モデル(一億台超え端末)のリピート需要のみとなってくるでしょう。5Gモデルから中国ローカルメーカーで加工、製造できるようになった為、日本の工作機はそれほど必要なくなります。しかも今年からはスマートフォンの世界販売台数の構図がすごく変わっていくので、工作機メーカーはしっかりと販売相手を変えていかなければいけません。数年前まではアップルの独占でしたが今では世界シェア12パーセントまで落ち込んでいます。2019年3Qのグローバルシェアのデータは1位サムスン20.6%、2位ファーウェイ17.6%、3位アップル11.8%、4位オッポ8.6%、5位シャオミ8.3%となります。アップルは高品質でいい物を作りすぎるのかアジアのスピード感についていけなくなってきました。アジアの全モデルが5Gモデルになっている今、ソニー、シャープ、アップルだけが4Gで、2020年なるべく早い段階での発売が求められる状況になりました。ここからが大事です。2020年初旬に世界は一気に5G電波にきりかわっていきます。アップルが5G販売できるのは2020年秋ぐらいになります。インテルが5Gチップを技術的に供給できなくなり、クアルコムのスナップドラゴンを積む動きになりそうです。アップルはこの間一年の遅れをとります。中国メーカーはアップルのシェアをとりに動きだしました。いまから一年がアップルがシェアをとられないよう正念場であることは間違いありません。一年後のグローバルシェアは、1位2位をサムスン、ファーウェイで20%を争い、3、4、5位をシャオミ、オッポ、アップルで10%程を争います。次に2021年はFOLDスマホ時代になります。その時にもサムスン、ファーウェイは世界で一歩リードしているでしょう。いずれにしても日本はアップルファンが多いので、がんばってほしいですね。

まとめ

2020年は、自動車メーカーが10%程販売台数が落ち込み低調な感じのながれになるでしょう。今年は景気後退の一方でなかなか上向きにはならないと判断しております。国内自動車メーカーなかなか動きはありませんがこのタイミングでインドに工場を建てるべきです。14億人の市場を争うにはチャンスと呼んでます。

スマートフォン業界は世界で5Gモデルの買い替え需要が高まり、15億台以上販売するだろう。なかでも中国メーカーでシェア50%ぐらいとられ、サムスン、アップル昔の2強が引きずりおろされるだろう。日本メーカーは世界の1%ぐらいはとってほしいものですね。SONYもいい物作ってるのだから、もっとグローバルにがんばって欲しいですね。

                 記事 石村忠美