トヨタのインド戦略

朝礼

トヨタとスズキは2019年3月、新たな協業について、具体的な検討に着手することで合意した。これは2017年2月の業務提携に向けた覚書を締結して以降、両社が検討を続けてきた成果となる。新たな協業の具体的内容としては、スズキがインドで生産する小型車を、トヨタにOEM供給することがある。

トヨタ アーバンクルーザー

トヨタが今回、インドで発売したアーバンクルーザーは、スズキ『ビターラ ブレッツァ』のOEM車だ。ビターラ ブレッツァは2016年2月、インドで開催されたオートエキスポ2016で初公開された。インドの顧客の好みや価値観をより重視して開発された都市型のコンパクトSUVだ。力強いエクステリアと充実した装備、多様なオプションパーツなどが特長で、2016年3月の発売以来、インドSUV市場でシェア1位に立っている。

人気車種をトヨタマスクにし、エンブレムをつけて売る。インドでのトヨタ知名度をあげるとともに、スズキの生産量も増えるに違いない。豊田社長はいつもオールジャパンでの戦略を考えていることに気づかされる。トヨタがインドでのシェア獲得に成功すれば、圧倒的な世界ナンバーワン自動車メーカーになるであろう。

       記事 石村忠美