ボーイング737MAX生産停止

朝礼

ボーイング737MAXはアメリカ・ボーイング社が製造する近・中距離用旅客機で、ボーイング737NG(ネクストジェネレーション)の後継機として2017年に就航したが、2018年10月にインドネシアで、翌2019年3月にはエチオピアでと、わずか半年の間に2回も墜落し、乗客乗員計346名もの尊い命が犠牲になった。

2つの墜落事故は離陸後数分で墜落したという状況が酷似しているため、パイロットの過失ではなくボーイング737MAXの機体自体の安全性が強く疑われ、世界各国で運行停止命令が出され、その後運行再開のめどが立たないことから2020年1月から生産を一時停止すると先日発表された。サプライヤーには日本企業も多く、生産停止による影響がおよぶものと考えられる。 事故原因については、ボーイング737MAXはエンジンが大型化したことで機首の上げ下げが不安定になりやすいという機体の特性があったためにそれを補正するMCASというシステムを導入していたが、そのシステムの不具合が原因だったのではないか?と言われている。

ここで考えてしまうのは自動運転のセンサー・システムの信頼性だ。旅客機は自動車よりもはるかに複雑な輸送用機器だが、操縦するのは訓練を受けたプロのパイロットだ。その操縦のプロをもってしてもシステムが原因と思われる事故が起こってしまった。仮に自動車が完全自動運転になったときに、素人のドライバー(自動車の場合はペーパードライバーということも想定される)がシステムの不具合が起きた時にパニックにならずにすぐさま対応できるのか?旅客機と自動車とではシステムは全くの別物であるが、一自動車ユーザーとしては身近な問題へと関連して考える。

完全自動運転はあらゆるケースを想定しなければならないということで、一般ユーザーからの信頼を得るにはいろいろな問題が山積しており、この高いハードルを乗り越えるのは易しいものではないと思われる。

                                                              記事 島亮