ロボット&マシニング

朝礼
ロボットとマシニングライン

産業を支える部品生産の現場では、鋳造や溶接、組み立てなどで自動化が進む一方、多品種少量生産も多い機械加工分野ではいまだ人手に頼る作業が多く残る。生産効率や品質への要求が高まり、人手不足も深刻化する中、工作機械メーカー各社は、工作機械とロボットの融合による段取りを含めた自動化・無人化の提案に力を入れている。自社工場で積極的にロボットの活用法を試し、新たな工場のあり方も示そうとしている。

工作機械メーカーは、ユーザーへの手本としてIoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)、デジタルツインなどの最新デジタル技術の活用による自社工場高度化(スマート化)に取り組んでいる。ロボットと工作機械の融合はその基盤だ。

パレット搬送ロボ

工作機械メーカーは製品とロボットの融合に向け、多様な製品を開発している。

上の写真では今までのマシニングセンタにオプションとしてもつAPC(オートパレットチェンジャー)を廃止し、ロボットでパレットを交換できるラインの構成である。いままでの考え方であればマシン内のパレットは180度回転で切り替わるオート運転であったが、ダイレクト投入してしまえば何種類のパレットを容易に切り替えることができる。ダイレクトワーク搬入もできてしまあうラインである。

各メーカーいろいろな未来な形を提案しているが、私がラインで一番で効率的と思う考え方が、マシニングセンタの前に搬送ロボットを走行することが一番だと考える。ある時はパレットを変えたり、ワークを変えたり、500mmをこえるボーリングバーのツールをATCさせ、マガジンにはいりきらなかったアングルヘッドを交換させたりと、いままで無理して専用の汎用機を製作していたことが無駄とおもえるロボットアームの無限性。数々の経験から時代遅れになっていく工作機械のラインをたくさん見てきた。いまやオペレータの立たない自動ラインこそが、新乃自動ラインと言っていい時代になった。

最近こんなテレビを見た。80ぐらいのお爺さんがハンドメイドで1ミクロンレベルを機械で加工している。テレビ側は彼のことを巧みの職人という。しかし今は時代が違う。これらのロボットを巧みに制御できることが現代時代の巧みなんだろうと私はおもう。制御はシーケンスをしっかり考えなければ機械同士がぶつかりあう大変難しい作業なのである。もう生産性の低い事を評価する時代は終わった。

                 記事 石村忠美