マシニングセンター制御進化

朝礼

ここ近年、マシニングセンター操作パネルの常識が変わってきている。歴史を振り返りながら説明していこう。XYZの数値を入力し機械が動くようになって、はや30年ぐらい経つだろうか。そのころから自動工具交換ができ、オートパレットチェンジャーの付くマシニングセンターが標準的な考えになり、2000年ぐらいからは工作物さえ決まってしまえばプログラムや刃物選定が自動化されるCAM化による加工ができるようになったのである。タービン部品や複雑な三次元立体加工など、人間の能力の超えた加工プログラムを機械が自動で行えるようになった。日本メーカーはFANUCの制御を用いる機械メーカーばかりになり、そのころの制御はどのメーカーも似通っていたのである。

FANUCのNC操作パネル

2000年を過ぎたぐらいからは、中身はFANUCだけどボディ部分のCASEがオリジナルでやろうとするメーカーが増えた。特に汎用機メーカーになるとFANUCというロゴを嫌うようになってきたような気がする。パッと見、自社開発してきたような・・・皆タッチパネルに拘っていて、マシン全体のセンスを問われた時代になっていた。

タッチパネル操作パネルの時代

2014年JIMTOFぐらいであろうか。工作機械業界は華々しいセンスになってきたと私ははじめて感じたのである。どのメーカーもFANUCに頼らず自社NCになってきたのである。その理由の一つとして森精機とDMGの合併があげられる。DMGの斬新なセンスにどの日本メーカーも刺激を受けたのである。

DMGの操作パネル

5軸加工機ともなれば、当たり前のようにお洒落な操作パネルが標準で装着され、CAD&CAMのネットワーク加工があたりまえの時代となっているのである。設計でモデルさえ描けば、現場で物が出来上がる、図面レス時代の幕開けであった。その様なマシニングセンターを参考にし日本メーカーも2016、2018JIMTOFでは世界に負けない機械作りができてきたのである。

XYZとAB軸が常にロスなく動き続けるCAMが可能になったのである。下記動画は2014年制御技術である。https://www.youtube.com/watch?v=ADqDMwQOc2w

マザックの操作パネル
森精機の操作パネル
オークマの操作パネル

日本を代表するトップ3も自社開発パネル化され、2020JIMTOFでは各メーカー全モデル統一パネル方針で発表してくるだろう。昔はFANUCばかりだったのに、どのメーカーもマシン制御に力をつけてきたと関心させられます。

     記事  石村忠美